シェアハウスのような「不動産を使った商売」を始めようと思ったとき、初期投資がどうしても大きくなりがちですので、より計画的に戦略を組み立てておく必要があります。
戦略と聞くとなにやら難しく感じてしまいますが、簡単に言うと「最終的に元が取れるのか」ということ。
元(初期投資)を回収したところからが本当の儲けのスタートなので、そこまでの道のりをどう描けるのか、この部分が非常に大事なポイントだと思っています。
そもそも不動産取引は最初の初期費用から既に多額になる傾向にありますので、どうしても最初の方は現金が渇望しがち。
その部分を乗り越えてようやく、スタートラインに立つことが出来る印象です。
しかしその反面、売却時に全て戻ってくるどころか、儲けが出るというのが面白さでもあると考えています。
とはいえ、投資金額が大きくなりがちなシェアハウス経営は、リスクも同じように大きくなるのが現実です。
では、どうすればこのシェアハウス経営のリスクを抑えることが出来るのでしょうか。
僕の方法を簡単にお伝えすると、古家付きの土地を購入して、自分で直して、自分で集客する。
ポジショントークみたいになってしまいますが、この方法は基本的には失敗しないやり方であると感じています。
僕の場合、シェアハウスをやろうと決めて、横浜に物件を購入しました。
もちろん計画的に、ですが、同時に失敗することはありえないこと、とも考えていました。

シェアハウスを始めよう!
シェアハウス運営は完全手放しとはいかない商売ですが、外注を使ったりして、ある程度自分の手から離すことは可能です。
一度入居してしまえば、やることといえば基本的に清掃くらいのものなので、そうなってくると空いた時間でもう1件、もう1件と数を増やしていくことが時間の面から言えば可能です。
株や賃貸のアパートオーナーのように不労所得ではありませんが、一度運営が始まってしまえば、会社員や店舗経営などのような仕事と比較して、圧倒的に少ない労力で収入を確保できるようになります。
人が住みたいと思う立地の物件を手に入れて、人に住んでもらうこと。
シェアハウス運営の勝ち筋は結局のところ、これに尽きるのではないでしょうか。
ちなみにですが、同じ一軒家の場合は基本的にファミリーに貸すよりも、シェアハウスにして複数名に貸したほうが収入の金額は大きくなります。
例えば100平米程度の2階建て4部屋の一軒家があったとして、ファミリーに賃貸すると10万円となるところを、シェアハウスにすると1部屋5万円にすると4部屋で20万円の家賃を受け取ることが可能となるからです。
ただしシェアハウスの場合は光熱費がオーナー負担になるので、そこから経費を削られてしまいますが、それでも手取りは普通に一軒家として貸すよりも残りやすいです。
あとは常に管理ができるので、入居者の退去時に部屋がグチャグチャでひどい!なんて想いをしなくて住むのもメリットです。
このような背景がありますので、ただの戸建てオーナーとなるよりは、シェアハウスを運営したいと思う人もいるでしょう。
シェアハウスをやりたい人にとって最初の壁は「物件をどうするのか」という点ですよね。
自分の持ち家であれば何の問題もありませんが、シェアハウスを賃貸で始めたい場合は何よりもまず、物件探しからスタートになります。
賃貸で借りて、それを又貸しするという形ですね。
シェアハウス化してOKな物件を探さないといけないので、それもまた難航すると思います。
果たして賃貸と購入、シェアハウスをやるならどちらが良いのでしょうか。
今回はそのあたりも含めて、他にもシェアハウスを損せずに運営するために必要な計画、自分なりの考え方をまとめてみました。
シェアハウスを始めるときに意識したいポイント

それでは早速、順々に考えていきたいと思います。
まずは、シェアハウスを始めるときに絶対に考えなければならないこと、購入するのか賃貸でいくのか問題です。
購入か賃貸か問題
家を買おうとすると、大きなお金が必要になることが一般的です。
日本の地方では無料でもらえる不動産や、100万円程度の安い戸建てもたくさんありますが、僕の考えでは、それらは基本的には「安物買いの銭失いになる」可能性が高いと思っています。
安いのには必ず理由があります。
不動産の面白いところが「すべての商品が一点もの」だからだと思っているのですが、自分が住むだけのための土地なら話は別ですが、商売を運営する場所としては安いだけの物件には手を出すべきではないでしょう。
その理由は、維持管理費用がかかる一方で、お客さんが入らないからです。
「それなら都会で家を買うの?高すぎて無理」
「じゃー賃貸でやるの?」
当然そういう流れになるかと思います。
僕はシェアハウスとなる物件は、借金してでも買えるなら買うべきだと思っています。(もちろん物件の見極めは必要)
その理由は、シェアハウスという商売は賃貸で借りてまでやるほど美味しい商売ではないからです。
楽しい仕事ではあるとは思いますが、商売としての旨味は少ないんです。
これが「賃貸でシェアハウスをやる場合の現実」です。
シェアハウスって入居者一人あたりの家賃が安いのに売上の限度額が低く、それでいて修繕費やテナント代、開業費といった経費も高額になるからです。
賃貸しか考えられないのであれば、民泊や宿泊施設の経営者となる方が良さそう。
シェアハウス運営は店舗ビジネスではなく、不動産事業。
もしシェアハウスになる戸建てを借りようとすると、家主に支払う家賃もそれなりに高額になりますが、家賃は払ったら大家さんに消費されるだけ・・・ですよね。
その一方で、金融機関から借り入れしてでもシェアハウスとなる物件を購入し、毎月借金の返済をしていった場合、いつかその家を売却するときに買った値段と同じ金額で売れたら・・・?
そう、その間に支払ってきた返済は、最終的に自分のもとに返ってくるんです。
つまり、これまでの返済は、自分の手取りとして売却時に戻ってくるということです。
家賃は経費だけど、借金返済は資産だということを理解できれば賃貸でシェアハウス運営をしようとは思わないのではないでしょうか。
物件選び
シェアハウス向けの物件といえど何でもいいわけではなく「物件の見極め」が必要です。
地方の不動産は、借り手がいないだけでなく買い手もいないのですから、一度買ってしまうと未来永劫持ちつつけなければいけないとなる可能性も高いです。
自由に世界中を移動できる現代で、わざわざ不便なところへ引っ越そうという人は多くありませんので、そう考えていくと立地はある程度絞れていくでしょう。
地方でもロケーションや風景が良い物件であれば不動産投資として見た場合は良いですが、ことシェアハウス経営に限れば、やはりそれなりに人がいるところでないと厳しいでしょうね・・・。
ということで、シェアハウス運営にはどんな物件が良いのかというと、僕は「土地値以下で買える駅チカの戸建」かつ「自分が受け取りたい家賃を上回ることのできる物件」だと考えています。
前者はシェアハウスの需要があるエリアで、壊すのもお金かかるから土地値で売っちゃおうと考えているオーナーから物件を安く購入するということで、
後者は、その物件でいくらの家賃が受け取れて、その金額で自分は満足できるのかというところです。
この条件に合う物件を探すのは縁もありますが、出てきたら勝ちはもらったようなもの。
土地値で買っているなら売るときも同じ価格で売れるので、あとは毎月の家賃でとりあえず自分の生活を維持していければいいよね、という考え方です。
一件のシェアハウスで生活ができる売上が見込めたら、あとは次に同じことを繰り返せばOK。
リフォーム問題
不動産を使うと必ず修繕費やリフォーム代がかかります。
これも大きなコストですが、自分の資産を修繕した場合は売却価格にも反映できるのがポイント。
リフォームはスキルが必要ですが、実はシェアハウスの入居者はそこまで細かいところを気にしない傾向がありますし、退去のたびに壁紙を張り替えたりなどはする必要は全くありません。
シェアハウスは短期で入居する人も多いので、自分でDIYスキルを磨いて、必要があればその都度修繕していけばいいと考えます。
家を賃貸で借りて、家具を集めて、修繕を業者にお願いして・・・なんてやっていると、残るものがなくなるどころか、働き損になってしまいますから、怖いですね。
シェアハウスは売上の天井が決まっています。
部屋数×家賃が毎月の売上の天井です。
そしてこの天井をあげようと思うと広い場所が必要で、それによりコストもリスクも倍増しますので、何事も自分で行動していく必要があります。
ターゲット問題
次にどんな人に入ってもらうか問題です。
物件情報を集め始める時に合わせて、実際の入居者がどのような人が来るのか、ターゲットを想定する必要があります。
そのターゲットですが、僕は外国人向けに集客するほうが勝算は高いと思います。
最近は外国人がとても増えて、ワーキングホリデーなどで来日する人もとても多いのですが、その一方で日本人大家は外国人を嫌がる人が多いので、外国人大家が外国人に日本の家を貸すというマーケットが出来つつあります。
ただし、外国人がそもそもあまり住まないようなところで外国人向けにアピールしても誰も来ませんので、結局は需要のあるところで始めるというのが大前提となりますが、そういった実情も知っておくと良いかもしれません。
利回り問題
利回りは非常に重要です。
この利回りは、あくまで物件を購入した場合に何年で購入費用を回収できるのかというところです。
1000万円で開業したシェアハウスから、年間100万円の家賃が見込めるなら、10%の利回りになりますね。
ただ、この利回りを求めすぎると部屋が小刻みになったりタコ部屋になったりするので、要検討です。
シェアハウスは当然、部屋が多い分だけ売上が増えます。
売却問題
シェアハウスは最終的には売却まで考えないといけません(出口戦略)
物件を購入したのであれば、シェアハウスとして売るのか、一軒家として実需向けに売るのかということです。
シェアハウス内に小さな部屋を沢山作ってしまうと家賃総額は増えますが、窮屈になって家の雰囲気が悪くなりますし、売却時もシェアハウスを運営したい人しか買わなくなります。
せっかく頑張って作った物件を売るのであれば、最低限購入費にリフォーム費用以上を乗せて、発生する税金の金額も含めた金額で売却したいですよね。

シェアハウスを買う人というのは利回りを見るので利回りが高いことはもちろん良いのですが、そもそもシェアハウス自体が美味しい商売ではないので、シェアハウスを買う人というのはとても少ないです。
そのため、僕は実需向けに売れるようなリフォームや部屋でシェアハウスを運営すべきと考えています。
最終的には建物が潰れるまで使う予定であれば別に何でも良いと思いますが、それでも土地としての魅力があると上モノは関係なくとも売りやすいはずです。
まずは物件探しから

ということで、僕が思うシェアハウスを始めたいときのプランニングについて、まとめてみました。
こんなこというとコンサルタント的な人に怒られてしまうかもしれませんが、僕は割りと「物件ありき」の方法が大事なのかなと考えています。
計画ももちろん大事なのですが、そもそも物件が計画に合わせて売りに出てくれるってことはないので、見つけた物件に計画を合わせていく方が合理的ではないかなと思います。
そのため良い物件があっても出口までの戦略が描けない物件の場合は思いとどまったほうが良いですし、
逆にあんまり良い物件ではないと感じたとしても、そこに計画を乗せられるのであれば、それはそれでGoサインではないでしょうか。
物件を探す上で、シェアハウスであれば駅徒歩や部屋数は最低限意識したいところです。
あとはエリアですかね。
良いエリアであれば売るときも売りやすいですから。
あとは絶対に注意したいポイントがこれ!
自宅から通える無理のない範囲で行うこと。
シェアハウス運営だけでなく不動産に投資するのなら、自宅から近ければ近いほど都合が良いです。
特にシェアハウスは定期的な管理が必要な業態なので、家から近いのはマストです。
ということで今回は以上。
自分の考えをまとめるために書いてきましたが、シェアハウス運営を検討中の方の気付きになれれば嬉しいです。
