【まとめ】不動産売却で発生する税金の違い【個人or法人?】

一昨年の話になりますが、当時まで所有・運営していた店舗を売却した際、その年の不動産売却にかかる税金が、とても高額な支払いになりました。

その結果どうなったかというと、他の仕事に対する投資がかさみ、徐々に資金不足状態に陥ってしまったという流れなのですが、今考えると税に関する知識にかける僕は税務署の言いなりで所得税額を計算し、必要以上の金額を収めていたのではないかと考えています。

とても後悔しているし、大分損したなぁと思うわけですが、今後不動産の「買取再販事業」に専念していくに当たり、もっと理解を深めておかないと税金貧乏になるなぁと危機感を感じ、ここでまとめておきたいと思っています。

基本的に所得税が上がると住民税も上がり、社会保険料の負担が増え、年収で決まる行政サービスの負担割合も増えるので、手元に残るものは思いの外少なく、儲かりません。

僕の場合は遠方の不動産を売却したので止む終えずでしたが、やはり出来れば価値のある(収入源となる)不動産は可能な限り長く持っておくべきというのは、肝に銘じておこうと思っています。

目次

不動産の売却には税金がかかる!

当然ですが、不動産を売却すると、負担する税金の金額も、その種類も増えることになります。

特に不動産売買は金額が高額となりがちですので、よく考えておかないとあれよあれよという間に、大きく損をしたり、余計な支払いを増やしてしまうことになるかもしれません。

本ページで、不動産取引で発生する税金の考え方をまとめてみますので、よく読んでみてください。

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個人と法人によって異なるのは税率ではなく税金の種類!

不動産取引を行う場合、個人(個人事業主)で持っているのか、法人で持っているか、

売却後の税金を考えてみると、まずはそこが重要なポイントになってきます。

というのも、個人の場合は「譲渡所得税」といって、不動産を売っていくら儲かったかを求めるのですが、

法人の場合は、不動産取引を含めた全ての事業でいくら儲かったかを求めるからです。

もちろんそれぞれ税率が異なるというのは間違っていないのですが、どちらかというと本質は「税金の種類が異なる」ということなんです。

個人の場合 =譲渡所得税

個人の場合は売却時の所有期間によって、5年未満の短期譲渡所得、もしくは5年以上の長期譲渡所得という2つの譲渡所得税率の決まりがあります。

長期譲渡所得の場合は税率である20.315%、短期譲渡所得は39.63%をかけた額で譲渡所得税(住民税込み)が決まります。

譲渡価格-(取得費用+譲渡費用)-特別控除 =課税譲渡所得
最後に、譲渡所得税率をかける

この所得税には住民税も含まれてるけど、社会保険料は含まれてないので注意!購入後5年以内の売却だと約半分も持っていかれることに・・・

また、居住が10年を超えるマイホームにはさらに特例(譲渡所得6,000万円以下の部分の譲渡所得税率14.21%)がありますので、長く持てば持つほど売却後の税金は安くなる傾向にあります。

合わせて、マイホームの売却には3,000万控除という特例もあります。

【3,000万円控除とは?】
譲渡所得から3,000万円を引いた課税譲渡所得が0円以下となれば譲渡所得税が0円になる制度。

たとえば3,000万円で購入したマンションを4,000万円で売却した場合の譲渡所得は1,000万円ですが、この場合、課税譲渡所得はマイナスとなるため、譲渡所得税はかからず、それにより翌年の住民税や健康保険料が高くなるようなこともありません。申告は、売却した居住用不動産を管轄する住民票の写し等が必要になります。

【10年越え所有軽減税率の特例とは?】
居住用の不動産(マイホーム)を売った時に所有期間が10年を超えていた場合に、譲渡所得税に軽減税率を適用することができる特例。

3,000万円特別控除の特例と合わせて利用することができます。

マイホームの売却で利益が3,000万円以上出ることはなかなかないかと思いますので、マイホーム売却時には税金をそこまで心配する必要はないかもしれません。

しかし、マイホーム以外を売却した場合、特に短期ですと4割もの譲渡所得税が発生し、さらに社会保険なども上がることで実質約半分もの利益が税金として持っていかれることになります。

短期売買の可能性がある不動産を購入するのであれば、法人で買ったほうが譲渡所得税に関して言うと安くなるね

個人の所得税額の求め方

ということで個人で不動産を売却すると、上で上げたように譲渡所得税が発生することになりますが、働いている方なら当然本業に対する所得税も別で発生していますよね。

しかし、個人(事業主)の不動産売却の所得税計算は「分離課税」となり、本業の収入と直接の関係がありません。

それはそれ、これはこれなので、本業が例え赤字でも相殺できません。

国税の相談所に確認したところ、個人事業主が業として不動産業を営んでいると認められるには、業界の組織(名称は不明らしい)に登録がなければならないということでした。なので、個人で売ったり買ったり、反復的に取引をしているだけでは法人のように事業所得にはならないとのこと。

一応ですが、個人の所得税を算出する場合は以下の計算になっています。

なお、個人の所得税は変わらなくとも、住民税や社会保険料は全ての総収入により計算されますので、負担額はさらに上がります。

  1. 年間収入(売上)を計算
  2. 年間収入から経費を差し引く
  3. ②の金額から所得控除(基礎控除=48万、扶養控除、医療費控除など)を差し引く(=課税される所得金額)
  4. ③の金額に定められた所得税の税率をかけ、下表右下の控除額を差し引く
  5. ④の金額から税額控除額を差し引く
https://00m.in/piSzn

法人の場合 =法人所得税

次に法人が所有する不動産を売却したときの税額の求め方です。

法人が不動産を売却する時に、短期、長期は関係ありません。

儲かれば法人所得税がかかるという話で、個人のように不動産を売ったから税金がかかるのではなく、あくまで事業の一環として「利益が出たか否か」、

不動産売却を含めた「その法人の1年間の総利益」によって税金の額が決まってきます。

法人所得税は利益800万円までが15%、800万円を超えた部分は、23.2%です。 

【知っておこう】所有権と借地でも税金は大きく変わる!

これは既に物件を保有している場合は今更感がありますが、実は借地と所有権とでも税金は大きく変わります。

土地は建物のように減価償却がないためです。

先ほども紹介したように、不動産売却の譲渡所得税を求める場合、下のような計算式になり、

この計算で出る【課税譲渡所得】に短期・長期譲渡所得の税率をかけて譲渡所得税を算出します。

譲渡価格-(取得費用+譲渡費用)-特別控除 =課税譲渡所得
最後に、譲渡所得税率をかける

しかし、この計算をする際に、取得費用をまるまる差し引くことが出来るのは土地のみだからです。

建物の場合は減価償却をしたあとの金額が取得費用として扱われるので、例えば築が古い、耐用年数の短い借地の戸建てを売却した場合、減価償却も数年で終わってしまうので、取得費用が0円となり、譲渡所得税が膨らんでしまいます。

というのも、借地の場合は土地を保有しているわけではなく、あくまで借りている形なので、土地の分が計算に入ってこないからです。

例えば、300万円の土地付き戸建て(土地150建物150)と300万円の更地を、同じ500万で売るのであれば、建物が減価償却されて計算される分、更地のほうが譲渡(法人)所得税は安くなるということですね。

店舗兼住居を売ったら、税金はどうなる?実際のケース

あまりないことかとは思いますが、自宅と店舗が一つ屋根の下にあるということもあると思います。

もし店舗兼用の住居を売却すると、その税金はどうなるのか、これは自分が実際に体験したことなので、軽くまとめておきたいと思います。

これは法人が店舗兼住居に入居することはないと思うので、個人の方限定ですが、

店舗兼住居売却後の譲渡所得税を求める場合、税務計算と同じように「按分」することが可能です。

自分の住まいの分だけが、控除の対象となる感じですが、これも控除を受けるには3年以内という制約があります。

店舗併用住宅の場合、自分の居住の用に使っていた部分に限り、3,000万円控除の特例を受けられます。居住部分と店舗部分はそれぞれの利用面積の比率で分けますが、居住の用に使っていた部分が全体の90%以上であるときは、全体を居住の用に使っていたものとして特例を受けることができます。

これは僕のケースですが、住居兼店舗(屋号込み、借地)を1,300万円で売却しました。

売却4年前に引っ越しして、通いで運営を続けていたのでマイホームとはみなされず、控除は使えません。

さらに確定申告時に内訳書を提出しなかったので税務署に呼ばれて、言われるがままに計算され、支払いました。

税務署の椅子に座ってスタッフと計算しましたが、借地なので土地の価値は0、建物は減価償却されて建物価値も0、取得に関する費用もせいぜい仲介手数料など位で大して引かれず、売却金額のほとんどに税金がかかることになりました。

支払った金額はざっくりとですが、譲渡所得税約160万、住民税約55万、国民健康保険約90万円の合計、約305万円でした。

個人が不動産を売った場合、不動産譲渡税、住民税の値上げ、健康保険料の値上げだけでなく、所得制限による各種手当の廃止などもありますので、我が家でいうと子供2人分の児童手当も受給資格がなくなった格好です。

ちなみに売却の数年前にリフォームを行っていた場合、通常であればリフォーム費用は譲渡所得税計算時には「取得費」などで内訳書に記載して控除できるはずなのですが、これがもし購入時の確定申告書に数値が含めてしまっている(すでに経費として計上している)場合、取得費としてはみなされず、控除できません。

【ポイント】税務署はとれるだけとりたいという前提を理解しておく

ということで、色々見てきましたが、やはり不動産の売却で手元に大きく残すのは、特に短期間の場合はなかなかハードルが高そうな印象です。

そのため「不動産は長く持って、持ってる間は賃貸に出すか自分で事業を行い、最低でも元を取ってから、買った金額以上で売る」という意識が必要のように思います。

自宅の場合は控除があるので「マイホームは引っ越し後3年以内に売る」ということもセットで覚えておきましょう。

そもそも、国税側は「可能な限り絞りたい」というのが本音だと思います。

だからこそ一見するだけでは理解できないような複雑な仕組みを設定して、その本音を隠しています。

経済は「いかにお金を動かすか」で回るものですが、それは個人であれ市であれ国であれ同じなので、結局この世界は富の奪い合いで成り立っているんだな、、、と黒さが垣間見えてしまう瞬間ですが、逆に言えばその前提を理解して対策するくらいしか、方法はないわけですね。

与えられた条件で戦っていくしかない・・・。

絶対にやってはいけないこと

最後に絶対にやってはいけないことがあります。

個人の場合、確定申告をするときに不動産売却の内訳書を提出することになりますが、これが一般の人にはどう書いていいかが分からないと思います。

しかし、これを出さないで不動産の取引があったことだけ確定申告すると、「税務署から必ず連絡がくる」そうです。

そうなると税務署に出向き、向こうの言いなりで必要以上(というか節税が思うようにできず)に税金を支払わなければならなくなる可能性もありますので、必ず内訳書は提出するようにしましょう。

あとは売却前に必ず「どういう風に出口から出るか」を考えておくこと。

例えば3,000万円控除を使いたいのなら退去したら3年以内には売却しないといけないですし、もしなかなか売れないのであれば各種税金が増えて手当が減ってしまうよりは、もう少し安い金額で早めに売却してしまうというのも一つの手ですよね。

不動産を売却したら、絶対にやっておきたいこと

ということで、不動産売却における所得税について、一通りまとめてきました。

なかなか複雑なので、理解は追いつかないと思いますが、何度も読んでいくと少し理解も深まってくると思います。

不動産売却は金額が大きいだけに、負担する税金も高額になってしまいます。

しかし、意外に大きな節税となる控除があったりもするので、売却時こそ慎重に行動したいところ。

そのあたりを「不動産売却時に絶対にやっておきたいこと」という記事を、別にもう1つまとめておきます。

良かったら引き続き読んでいってくださいね。

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